2017/12/12

[SICP] 問題 1.37 : 連分数

a. 無限の連分数(continued fraction)は
の形の式である. 例えばNiとDiがすべて1の無限連分数展開が1/φになることが示せる. φは(1.2.2節で示した)黄金比. 無限連分数の近似値のとり方の一つは, 与えられた項数で展開を中断することで, そういう中断--- k項有限連分数(k-term finite continued fraction)という---は
の形である. nとdを一引数(項の添字i)で連分数の項のNiとDiを返す手続きとする. (cont-frac n d k)がk項有限連分数を計算するような手続きcont-fracを定義せよ.

(cont-frac (lambda (i) 1.0)
           (lambda (i) 1.0)
           k)
のkの順次の値で1/φの近似をとり, 手続きを調べよ. 4桁の精度の近似を得るのに, kはどのくらい大きくしなければならないか.

b. cont-fracが再帰的プロセスを生成するなら, 反復的プロセスを生成するものを書け. 反復的プロセスを生成するなら, 再帰的プロセスを生成するものを書け.
連分数を求める手続きを定義します.
;; 再帰的プロセスを生成
(define (cont-frac-r n d k)
  (define (iter i)
    (if (> i k)
        0
        (/ (n i)
           (+ (d i) (iter (+ i 1))))))
  (iter 1))

;; 反復的プロセスを生成
(define (cont-frac-i n d k)
  (define (iter i result)
    (if (= i 0)
        result
        (iter (- i 1)
              (/ (n i)
                 (+ (d i) result)))))
  (iter k 0))

(define (phi-r k)
  (/ 1 (cont-frac-r (lambda (i) 1.0)
                    (lambda (i) 1.0)
                    k)))

(define (phi-i k)
  (/ 1 (cont-frac-i (lambda (i) 1.0)
                    (lambda (i) 1.0)
                    k)))
再帰的プロセスを生成する手続きは, 上の方から計算しています. 反復的プロセスを生成する手続きは, 下の方から計算するようにしています.
黄金比Φの計算をしてみます.
ようこそ DrRacket, バージョン 6.1 [3m].
言語: Pretty Big; memory limit: 2048 MB.
> (phi-r 15)
1.6180327868852458
> (phi-i 15)
1.6180327868852458
> 
kの値を15にすれば良さそうです.

2017/12/07

[SICP] 問題 1.36 : x^x=1000

問題1.22で示した基本のnewlineとdisplayを使い, 生成する近似値を順に印字するようfixed-pointを修正せよ. 次にx log(1000)/log(x)の不動点を探索することで, xx = 1000の解を見つけよ. (自然対数を計算するSchemeの基本log手続きを使う.) 平均緩和を使った時と使わない時のステップ数を比べよ. ({ fixed-pointの予測値を1にして始めてはいけない. log(1)=0による除算を惹き起すからだ.)
近似値を表示するための処理をfixed-pointに追加しなくてはなりません. 追加する場所は, 内部手続tryが適切でしょう. 修正した手続きは次のとおりです.
(define (average x y)
  (/ (+ x y) 
     2))

(define tolerance 0.00001)

(define (fixed-point f first-guess)
  (define (close-enough? v1 v2)
    (< (abs (- v1 v2)) tolerance))
  (define (try guess)
    (let ((next (f guess)))
      (display guess)
      (newline)
      (if (close-enough? guess next)
          next
          (try next))))
  (try first-guess))
xx=1000を満たすxを求めてみます.
ようこそ DrRacket, バージョン 6.1 [3m].
言語: Pretty Big; memory limit: 2048 MB.
> (fixed-point (lambda (x) (/ (log 1000) (log x))) 
               2.0)
2.0
9.965784284662087
3.004472209841214
6.279195757507157
3.759850702401539
5.215843784925895
4.182207192401397
4.8277650983445906
4.387593384662677
4.671250085763899
4.481403616895052
4.6053657460929
4.5230849678718865
4.577114682047341
4.541382480151454
4.564903245230833
4.549372679303342
4.559606491913287
4.552853875788271
4.557305529748263
4.554369064436181
4.556305311532999
4.555028263573554
4.555870396702851
4.555315001192079
4.5556812635433275
4.555439715736846
4.555599009998291
4.555493957531389
4.555563237292884
4.555517548417651
4.555547679306398
4.555527808516254
4.555540912917957
4.555532270803653
> (expt 2 3)
8
> (expt 4.555532270803653 4.555532270803653)
999.9913579312362
> 
期待した結果が得られているようです.
平均緩和を使ってみます.
ようこそ DrRacket, バージョン 6.1 [3m].
言語: Pretty Big; memory limit: 2048 MB.
> (fixed-point (lambda (x) (average x (/ (log 1000) (log x)))) 
               2.0)
2.0
5.9828921423310435
4.922168721308343
4.628224318195455
4.568346513136242
4.5577305909237005
4.555909809045131
4.555599411610624
4.5555465521473675
4.555537551999825
> 
ステップ数が1/3以下になっています.

2017/12/04

[SICP] 問題 1.35 : 不動点の探索による黄金比の計算

(1.2.2節の)黄金比φが変換 x → 1 + 1/x の不動点であることを示し, この事実を使いfixed-point手続きによりφを計算せよ.
黄金比の定義は次のとおりです.
  φ2 = φ + 1
この両辺をφで割ります.
  φ = 1 + 1/φ
この結果から,
  変換 x → 1 + 1/x
が得られます.
不動点を求める手続きは次のとおりです.
(define tolerance 0.00001)

(define (fixed-point f first-guess)
  (define (close-enough? v1 v2)
    (< (abs (- v1 v2)) tolerance))
  (define (try guess)
    (let ((next (f guess)))
      (if (close-enough? guess next)
          next
          (try next))))
  (try first-guess))
実行してみます.
ようこそ DrRacket, バージョン 6.1 [3m].
言語: Pretty Big; memory limit: 2048 MB.
> (fixed-point (lambda (x) (+ 1 (/ 1 x)))
               1.0)
1.6180327868852458
> 
p.21から黄金比の値は約1.6180ですから, 求める結果が得られています.

ヒューマン・リソース・マシーン 入社41年目−並べ替えよ

目次 1)課題 0を終端とした文字列がいくつか流れてきます。各文字列に対してソート(並べ替え)を行い、小さい順(昇順)に右側へ運んでください。 2)状況の確認 この問題では, 予めコードが入っています. このコードを実行して, 何をするコードなのか確かめます.  左のコンベアから...